ロストメディアである「1 o’clock prayer」について調べました。
prayerとは、「祈り」という意味です。
直訳すると「1時の祈り」という意味になります。
これは、フィリピンでかつて放送されていたキリスト教に関する映像のことを指しています。
この映像がロストメディア、かつ怖い映像として知られていますので、調べた内容を以下にまとめます。
「1 o’clock prayer」の概要
「1 o’clock prayer」についてまとめている記事をいくつか見つけましたので、下記にURLを載せておきます。
・THE Lost Media Philippines Database
https://lmpdatabase.miraheze.org/wiki/1_o%27_clock_prayer_(lost_prayer_habit_interstitial;_1990s-2000s)
・Fandomの「Lost Media Philippines Wiki」
https://lostmediaphilippines.fandom.com/wiki/ABC_5:_1_o%27_clock_Prayer_(Lost)
・The Lost Media Wiki
https://lostmediawiki.com/1_o%27_clock_prayer_(partially_found_Filipino_prayer_habit_interstitial;_1990s-2000s)
他、「1 o’clock prayer」の映像の制作元である「Mama Mary’s Movement Foundation Inc.(ママ・メアリーズ・ムーブメント財団)」のHPを見つけましたので、URLを併せて載せておきます。
http://www.mamamary.com.ph
※こちらのホームページは現在閉鎖されておりますが、アーカイブ経由で確認できます。
https://web.archive.org/web/20071104030532/http://www.mamamary.com.ph
上記サイト等から、「1 o’clock prayer」の概要をまとめます。
・「1 o’clock prayer」とは、フィリピンで放送されていたキリスト教関連の映像のことです。
・この映像は、別名「SEED-LOVE DEVOTION」という名前で知られています。
DEVOTIONとは、「奉仕」「献身」という意味です。
なので「愛の種を育むための奉仕」というような意味合いになると思います。
・フィリピンの「ABC-5(現在:TV5)」という放送局によって放送されていました。
・毎日午後1時に1分間の映像を放送していました。
放送時期は諸説ありますが、1990年代~2000年代だと言われております。
放送時期については後述します。
・1990年代から2000年代初頭にかけて放送されていた映像が現在も見つかっておりません。
この見つかっていない映像について、目から血を流しているマリア像のシーンがあったらしく、当時目撃した人々にトラウマを植え付けていたそうです。
この失われた映像の内容については後述します。
・2002年以降に放送された映像は発見されており、現在YouTubeで視聴することができます。
以下にYouTubeを載せておきますが、この映像には目から血を流しているマリア像のシーンが含まれておりません。
他URLも載せておきます。(上記動画と同様の内容です)
https://www.youtube.com/watch?v=2NhiSE5MvCo
https://www.youtube.com/watch?v=fq5FSwRdXqI
映像の内容について
この映像の内容は、毎日午後1時に聖母マリアへ祈りを捧げるというものです。
キリスト教には「時課」という典礼があります。
これは簡単に言うと、毎日決まった時間に宗教的な儀礼を行うといったものです。
参考として、「時課」に関するWikipediaの記事を載せておきます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%99%82%E8%AA%B2
「1 o’clock Prayer」は、毎日決まった時間に映像を流すことによって、キリスト教信者たちの信仰をより強固にしていたと言えます。
「1 o’clock Prayer」の1990年代バージョンの方はどのような内容だったのか、各記事に記載されていましたので以下に概要を載せます。
【「1 o’clock Prayer」1990年代バージョンの内容】
・冒頭、「1 o’clock」と表示される(”1”は大きく、” o’clock”は小さく表示される)
・女性のナレーションが「It’s 1 o’clock.」と告げる
↓
「WISH」という文字が表示された後、下記文章が順番に表示される
W: Worship God the Father
https://lmpdatabase.miraheze.org/wiki/1_o%27_clock_prayer_(lost_prayer_habit_interstitial;_1990s-2000s)
I: Immaculate Heart of Mary
S: Sacred Heart of Jesus
H: Holy Spirit
W: 父なる神を礼拝
google翻訳
I: 聖母マリアの汚れなき御心
S: イエスの聖心
H: 聖霊
↓
聖母マリアへの祈りが唱えられ、それと同時に下記画像(もしくは映像?)が流れる
・グアダルーペの聖母(メキシコ・グアダルーペ寺院に飾られている絵画)
・リパの聖母(フィリピン・リパ市に安置しているマリア像)
・バクララン教会(フィリピン・パラニャーケ市バクラランの教会)
・バクララン教会で祈る女性
・十字架上で死亡しているイエス・キリスト
・目から血を流しているマリア像
→このマリア像の画像は通称「Agoo Apparition」と言われています。
Agooとは、フィリピンのラ・ウニオン州の自治体名です。
Apparitionとは、「亡霊」「幻影」という意味があり、他に「出現」という
意味もあります。
よって、「アグーの亡霊」「アグーでの出現」という意味合いになります。
・カトリック教徒の群衆
・泣いているマリアとイエス
→ウィリアム・アドルフ・ブグローが描いた「Pietà」だと言われています。
↓
上記の泣いているマリアとイエスの映像の前に、黒画面になり下記文字が表示される
Heavenly Father with Mama Mary, we lift up to you the petitions of our brothers and sisters who are praying now…
https://lmpdatabase.miraheze.org/wiki/1_o%27_clock_prayer_(lost_prayer_habit_interstitial;_1990s-2000s)
天の父なる神とマリア様、私たちはいま祈っている兄弟姉妹の願いをあなたに捧げます…
google翻訳
↓
聖母マリアへの祈りの音声が終了した後、ママ・メアリーズ・ムーブメント財団のロゴと連絡先と下記文章が表示される
Mama Mary leads us to Jesus, Seed Love Devotion
https://lmpdatabase.miraheze.org/wiki/1_o%27_clock_prayer_(lost_prayer_habit_interstitial;_1990s-2000s)
聖母マリアは私たちをイエスに導き、愛の献身を植え付ける
google翻訳
参考として、表示されたと言われている画像を下記に載せておきます。
・グアダルーペの聖母

・リパの聖母

・バクララン教会

・目から血を流しているマリア像(Agoo Apparition)の画像
不快になる方もいらっしゃると思いますので、画像をモザイク処理しました。
モザイク無しバージョンは、画像下に掲載したURLから見ることができます。

・Facebook
https://www.facebook.com/photo/?fbid=10223842991517217&set=gm.2584127091893697
・Divine Mysteries and Miracles
https://www.divinemysteries.info/agoo-philippines-1989-1993
→下にスクロールしていけば、表示されます
・ウィリアム・アドルフ・ブグローが描いた「Pietà」

Agoo Apparition
目から血を流しているマリア像の画像については、1989年~1993年にフィリピンで起きた事件が関係していると言われています。
「聖母マリアが出現した」というものです。
事件に関する記事をいくつか見つけましたので、下記に載せます。
・Divine Mysteries and Miracles
https://www.divinemysteries.info/agoo-philippines-1989-1993
・The Miracle Hunter
https://miraclehunter.com/marian_apparitions//messages/agoo_messages.htm
https://www.miraclehunter.com/marian_apparitions/unapproved_apparitions/agoo/index.html
・Los Angeles Times
https://www.latimes.com/archives/la-xpm-1993-03-07-mn-8343-story.html
・The Catholic Prophets Encyclopaedia
https://web.archive.org/web/20090123031843/http://catholicrevelations.org/PR/judiel%20nieva.htm
・Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Judiel_Nieva
この「聖母マリアが出現した」事件について、概要をまとめます。
・フィリピンのアグー(Agoo)出身のジュディエル・ニエヴァ(Judiel Nieva)さん(1977年生まれ)は、1987年から聖母マリアの幻視を見始めました。
・1989年3月31日、彼は公の場(アグーの丘の上にある小さな泉)で幻視をしました。この時、天使たちが「アレルヤ」と「サルヴェ・レジーナ」を歌ったり、聖母マリアが幼いイエス抱えている姿を目撃したそうです。
聖母マリアはジュディエルに「毎月第一土曜日と聖祝日に再び訪れることを約束し、他の人々にも訪れるよう呼びかけた」そうです。
・聖母マリアの出現は、その後1993年9月8日に至るまで、50回以上も続きました。
・聖母マリアは現れる度に警句を発したり、血の涙を流したりしました。
また、ジュディエルの家族が所有していた聖母像も血の涙を流すことがあったそうです。
・1993年2月6日、フィリピンのラ・ウニオン州サン・フェルナンドを教区としていたサルバドール・ラソ・ラソ(Salvador Lazo Lazo)司教が、聖母像が血の涙を流しているのを目撃したそうです。その際、司教は自分の指を聖像の顔に当て、血の味を確かめたとも言われています。
複数サイトの説明より、この時に撮影された写真が「Agoo Apparition」です。
・1993年3月6日、数十万人(100万人という説あり)が聖母マリアの出現を待ち望んで集まりました。集まった人々のうち、聖母マリアを目撃したのはほんの一握りだったそうです。
他サイトの情報によると、この時、フィリピン政府高官、ジャーナリスト、そして教皇の代理人を務めた地元のカトリック司教も聖母マリアを目撃したそうです。
・1993年、サルバドール・ラソ・ラソ司教が設置した神学委員会は、上記一連の聖母マリア出現に関する出来事は存在しない、として非難しました。
非難する証拠としては、下記2点の報道も含まれていました。
・ジュディエルの家族による金銭的不正行為について
・ジュディエル自身の性転換手術について
上記が事件の概要ですが、血の涙を流している聖母マリアの写真(Agoo Apparition)は1993年2月6日に撮られたもののようです。
放送時期について
放送開始時期については、制作元のママ・メアリーズ・ムーブメント財団のHPにて言及がありました。
August 15, 1994 MIRACLEFEST, Araneta Coliseum
https://web.archive.org/web/20071212212920/http://www.mamamary.com.ph/legacy_specialprojects.html
Gathering of various Mama Mary images who have manifested miracles and apparitions to their owners and families … a special tribute to Mama Mary through dances and songs
Start of SEED-LOVE DEVOTION … airing over Channel 5 at 1pm
1994年8月15日 ミラクルフェスト、アラネタ・コロシアム(フィリピン・ケソン市の多目的スポーツ競技場のこと)
google翻訳 括弧内は補足
所有者とその家族に奇跡と顕現をもたらした様々なママ・マリア像が集まり…ダンスと歌を通してママ・マリアに特別な賛辞
SEED-LOVE DEVOTION開始…午後1時 チャンネル5で放送
1994年8月15日の出来事として、SEED-LOVE DEVOTION(1 o’clock Prayer)の放送がありましたので、恐らく放送開始日は1994年8月15日だと思います。
放送終了時期については、いくつかの記事にて言及されています。
Pintakasiというサイトの記事に、放送時期についての記載があります。
The Mama Mary’s Movement propagated the prayer by various means, most notably the airing of a television spot at ABC 5 since the 1990’s until the networked rebranded as TV5 in 2010.
https://pintakasiph.wordpress.com/2020/12/27/looking-back-the-underrated-one-oclock-prayer-habit/
ママ・メアリー運動は、さまざまな手段でこの祈りを広めましたが、最も有名なのは、1990年代から2010年にネットワークがTV5としてブランド名を変更するまで、ABC 5でテレビスポットを放映したことです。
google翻訳
ABC-5がTV5にブランド変更するまで放送されていたそうです。
ブランド変更時期は2008年8月8日なので、Pintakasiに記載している2010年というのは誤記の可能性があります。
他、Fandomの「Lost Media Philippines Wiki」では、放送終了日を2008年8月8日と記載しています。
上記情報から、放送終了時期は2008年8月8日だと考えられます。
よって「1 o’clock Prayer」の放送時期は、恐らく1994年8月15日~2008年8月8日だと推測しています。
なぜ映像が残ってないのか?
なぜ1990年代の映像が残っていないのでしょうか。
理由の一つとして、当時のフィリピンのテレビ普及率があまり高くなかったことが考えられます。
NationMasterというデータベースサイトに、フィリピンのテレビ所持世帯の割合の推移が掲載されています。
https://www.nationmaster.com/country-info/profiles/Philippines/Media
数値を元に、下記に表を作成します。

表から、1990年代のテレビ所持世帯の割合は50%未満を推移しています。
半分の世帯は未所持であることから、テレビを見ること自体にまだ馴染みが無かったのかもしれません。
1998年にNHKから出版された「NHK放送文化研究所 年報1998 第43集」の『変貌するアジアのテレビ・メディア ~成長から停滞への1990年代~』に、フィリピンのテレビ普及が遅れた理由が記載されていますので、一部抜粋します。
https://www.nhk.or.jp/bunken/research/title/year/1998/pdf/003.pdf
3-3 フィリピン
~中略~
フィリピンにおける地上テレビの発展を妨げた要因として,地理的特殊性を指摘できる。約7,000にものぼる島々で構成される国土は,後述するインドネシアと同じくマイクロ回線網の拡大を阻んだのである。また言語の異なる少数部族も多数居住し,インドと同様,言語面での多様性もテレピ普及の障害のーつとなった。主要言語であるタガログ語や英語は,主に首都マニラ周辺で話される言葉である。
~中略~
https://www.nhk.or.jp/bunken/research/title/year/1998/pdf/003.pdf
テレビ普及が遅れた理由として、2点挙げられています。
1.国土が多数の島で構成されているので、マイクロ回線網(放送局からの電波を送受信するためのネットワーク)の拡大が進まなかった。
2.フィリピンは多言語国家である為、複数言語を同時に発信できないテレビは国民に浸透しづらかった。
ママ・メアリーズ・ムーブメント財団(Mama Mary’s Movement Foundation Inc.)
「1 o’clock Prayer」の映像を制作したママ・メアリーズ・ムーブメント財団(Mama Mary’s Movement Foundation Inc.)について、いくつか情報を見つけましたので以下に記載します。
団体名:Mama Mary’s Movement Foundation Inc.
設立日:1993年5月6日
創設者:ジガーズ・G・アレハンドリーノ(Jiggers G. Alejandrino)
共同創設者:マリヴィ・E・アレハンドリーノ(Marivi E. Alejandrino)
霊的指導者:ラリー・ファラオン神父(Fr. Larry Faraon)
HP:http://www.mamamary.com.ph
Youtube:https://www.youtube.com/Yesmamamary
X(旧Twitter):https://x.com/yesmamamary
Facebook:https://www.facebook.com/tierrademaria
HPの内容から、キリスト教の伝道活動を目的とした団体のようです。
SNSを複数使用している形跡がありましたが、現在も更新し続けているのはFacebookのみのようです。
ママ・メアリーズ・ムーブメント財団HPのmovファイルURL
ママ・メアリーズ・ムーブメント財団のHPを調べていたところ、「1 o’clock Prayer」らしきmovファイルのURLがありました。
以下に共有します。
【「1 o’clock Prayer」の可能性があるmovファイルのURL(現在閲覧不可)】
http://www.mamamary.com.ph/images/Miracles/one%20o%27clock.mov
【発見手順】
手順1.HPのアーカイブから、下記画像の赤枠部分をクリック
https://web.archive.org/web/20071212194921/http://www.mamamary.com.ph/miracles_index.html

※クリックすると、新しいブラウザが開く
手順2.新しく開いたブラウザを選択した状態で「Ctrl+u」を押下して、ページのソースコードを表示する

148行目に、「1 o’clock Prayer」の可能性があるmovファイルのURLが記載されている。
【このmovファイルの動画の考察】
このURLから動画を確認することはできませんでした。
動画の内容について、すでにYouTubeなどで公開されている内容と同様のものだと推測しています。
「血の涙を流している聖母マリア」が含まれている映像は2000年代初頭までしか放送されておりません。
HPは2007年から開設しており、数年前の放送終了した映像を今さら紹介映像としてHPに載せることは考えづらいです。
その為、このURLのmovファイル動画はロストメディアの映像ではない可能性が高いと推測しています。
まとめ
ロストメディアの「1 o’clock prayer」について調べた内容をまとめます。
・「1 o’clock prayer」は、フィリピンで放送されていたキリスト教関連の映像のことです。
・この映像には、目から血を流しているマリア像のシーンがあったらしく、当時目撃した人々にトラウマを植え付けていました。
・1990年代~2000年代、毎日午後1時に1分間放送していました。
放送時期の詳細は、1994年8月15日~2008年8月8日だと推測しています。
・「目から血を流しているマリア像」が含まれているバージョンは2000年代初頭まで放送されており、それ以降は別の映像に差し替えられています。
この差し替え後の映像は、現在YouTubeなどで視聴することができます。
・当時の映像が残っていない原因の一つとして、1990年代のテレビ普及率が低かったことが考えられます。


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