ロストメディアの「EVRレース」について調べました。
「EVRレース」とは、任天堂が初めて発売したビデオゲームです。
※EVR(Electronic Video Recording)とは、電子式録画方式のことです。
メダル式の競馬ゲームなのですが、ビデオ映像は数秒程度しか発見されていません。
こちらのゲームについて調べた内容を以下にまとめます。
「EVRレース」概要
「EVRレース」の概要を以下にまとめます。

・「EVRレース」とは、1975年に任天堂が開発し、子会社の任天堂レジャーシステムが販売したアーケードゲームです。
・メダル式の競馬ゲームであり、プレイヤーは勝ち馬を予想してベットし、つづいて再生されるレース映像で結果が判明する、という内容です。
・競馬の映像は、EVR(Electronic Video Recording)テープを使用していました。
※EVRは再生専用のビデオ方式であり、映像信号を特殊なフィルムに写して、専用の機器で読み出す、という原理です。
・1つのテープに数十種類の競馬レースが収録されており、レース終了後にテープの早送りor巻き戻しをして、次のレースを設定していました。
・機体は複数種類あり、1人用、4人用、5人用、6人用、10人用、20人用が確認されています。

・このゲームは人気が高かったらしく、アミューズメント通信の「ゲームマシン」の調査によると、1976~1978年のメダルゲーム機部門で1位を獲得しています(以下画像参照)。

https://onitama.tv/gamemachine/pdf/19810215p.pdf
・しかし、稼働停止に陥るほどの故障が頻発していたそうです。
(消耗したベルトや光学系の劣化、再生トラッキング調整など)
・EVRは再生専用(録画できない)、テープの作成するコストが高い、再生するには専用機器が必要、といった短所がありました。
後に登場したVHSなどが普及する一方、EVRは徐々に市場から消えていきました。
ゲームの情報は以下サイトを参照しました。
・Wikipedia – EVRレース
https://ja.wikipedia.org/wiki/EVR%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B9
・Wikipedia – Electronic Video Recording
https://en.wikipedia.org/wiki/Electronic_Video_Recording
・任天堂 – 社長が訊く『PUNCH-OUT!!』
https://www.nintendo.co.jp/wii/interview/r7pj/vol1/index.html
・Lost Media wiki
https://lostmediawiki.com/EVR_Race_(lost_Nintendo_arcade_game;_1975)
・Fandom – Nintendo Wiki
https://nintendo.fandom.com/wiki/EVR_Race
・beforemario
http://blog.beforemario.com/2012/06/nintendo-evr-race-evr-1975.html
・nindb
https://nindb.net/arcade/evr/index.html
・やましんのメダゲー&パチスロ懐古厨ブログ
https://ameblo.jp/yamasyn/entry-11741348711.html
・ゲームマシン 第51号(1976年7月1日)
https://onitama.tv/gamemachine/pdf/19760701p.pdf#page=5
・ゲームマシン 第159号(1981年2月15日)
https://onitama.tv/gamemachine/pdf/19810215p.pdf
オークションサイトに出品
EVRレースは、過去にヤフオクに2回出品されています。
それぞれの情報を以下に掲載します。
【出品①:2016年】
・出品日:2016年11月10日
・開始価格:300,000円
・URL:https://web.archive.org/web/20161112135803/http:/page19.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/x465226628
【出品②:2021年】
・出品日:2021年7月5日
・落札価格:41,500円
・URL:https://aucfree.com/items/v810509044
確認できる資料
当時のゲーム雑誌などからEVRレースに関する情報を確認できますが、映像はほとんど見つかっていません。
以下にそれぞれの資料を掲載します。
映像
YouTubeに数秒だけEVRレースが映っている映像があります。
【映像①】
上記の映像は、『小さなスーパーマン ガンバロン』という特撮作品の第27話「見たぞ!デスクがロボットに」の1シーンです。
参考として、第27話の本編を以下に載せておきます。
3分02秒辺りからアーケードゲームのシーンが確認できます。
【映像②】
上記の映像は、『大都会 PARTII』というドラマの第17話「トラック大爆走」の1シーンです。
※Xの以下の投稿から参照しました。
雑誌
雑誌「ゲームマシン」にも度々掲載されています。
・ゲームマシン第35号(1975年11月1日)
https://onitama.tv/gamemachine/pdf/19751101p.pdf#page=8
・ゲームマシン第36号(1975年11月15日)
https://onitama.tv/gamemachine/pdf/19751115p.pdf#page=3
https://onitama.tv/gamemachine/pdf/19751115p.pdf#page=5
・ゲームマシン第37号(1975年12月1日)
https://onitama.tv/gamemachine/pdf/19751201p.pdf#page=4
・ゲームマシン第39号(1976年1月1日)
https://onitama.tv/gamemachine/pdf/19760101p.pdf#page=7
https://onitama.tv/gamemachine/pdf/19760101p.pdf#page=9
・ゲームマシン第40号(1976年1月15日)
https://onitama.tv/gamemachine/pdf/19760115p.pdf#page=2
・ゲームマシン第48号(1976年5月15日)
https://onitama.tv/gamemachine/pdf/19760515p.pdf#page=8
・ゲームマシン第51号(1976年7月1日)
https://onitama.tv/gamemachine/pdf/19760701p.pdf#page=5
・ゲームマシン第52号(1976年7月15日)
https://onitama.tv/gamemachine/pdf/19760715p.pdf#page=3
パンフレット
当時のパンフレットもいくつか見つかっています。

また、ヤフオクにも出品されている形跡があります。
https://auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/e1162597368
https://auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/o1137487967


コメント