ロストメディアの「London After Midnight」について調べてみた

ロストメディア

ロストメディアの「London After Midnight」について調べました。

「London After Midnight(真夜中のロンドン)」とは、1927年のミステリーホラー映画です。

ホラー映画界の巨匠として知られるトッド・ブラウニング(Tod Browning)が監督を務めました。
主演は、「千の顔を持つ男」と称されていた俳優・ロン・チェイニー(Lon Chaney)です。

当時の名だたる人物たちが関わっていたのですが、現在はロストメディアとなっています

こちらの映画について調べた内容を以下にまとめます。

「London After Midnight」概要

「London After Midnight」の概要を以下にまとめます。

作品名:London After Midnight
製作・配給:Metro-Goldwyn-Mayer(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)
公開日:1927年12月3日
時間:1時間09分

【スタッフ】
監督:トッド・ブラウニング(Tod Browning)
脚本:ワルデマー・ヤング(Waldemar Young)
撮影:メリット・B・ガースタッド(Merritt B. Gerstad)
編集:ハリー・レイノルズ(Harry Reynolds)、エロール・タガート(Errol Taggart)
美術/セット:セドリック・ギボンズ(Cedric Gibbons)、A・アーノルド・ギレスピー(A. Arnold Gillespie)
衣装:ルシア・コルター(Lucia Coulter)

【キャスト】
ロン・チェイニー(Lon Chaney)
 →エドワード・C・バーク警部/ビーバーハットの男
マーセリン・デイ(Marceline Day)
 →ルシル・バルフォア(Lucille Balfour)
ヘンリー・B・ウォルサル(Henry B. Walthall)
 →サー・ジェームズ・ハムリン(Sir James Hamlin)
コンラッド・ネーゲル(Conrad Nagel)
 →アーサー・ヒブス(Arthur Hibbs)
ほか

・あらすじは以下の通りです。

舞台はロンドン。富豪ロジャー・バルフォアの自殺から五年、荒れたバルフォア邸にビーバーハットの怪人と蒼白の少女が現れ、吸血鬼の噂が渦巻く。バルフォアの死を捜査しているバーク刑事は、変装と催眠で関係者の心理を揺さぶり、空の棺や不審な賃貸契約を手掛かりに五年前の一夜を再現、偽装された殺人の真相と犯人を暴く


・のちにブラウニング監督は、リメイク作品「Mark of the Vampire」(1935年公開)を製作しています。

・現存が確認されていた最後の上映用フィルムは、1965年8月のメトロ・ゴールドウィン・メイヤー保管庫の火災で焼失したとされます。

・火災で焼失する前の1950年代初頭に、映画史家のウィリアム・K・エバーソン(William K. Everson)デイヴィッド・ブラッドリー(David Bradley)はこの映画を観たと主張しています。

・エバーソンとブラッドリーの主張によると、本作は1935年にリメイクされた映画「Mark of the Vampire」と比べて劣っていたそうです。
また、映画の大半は、チェイニー演じるバーク警部の探偵シーンと、ポリー・モラン演じるメイドのスミスソンのコミカルな演技だったと言われています。



映画の情報は以下サイトを参照しました。
・Wikipedia – London After Midnight (film)
https://en.wikipedia.org/wiki/London_After_Midnight_%28film%29

・Wikipedia – 1965 MGM vault fire
https://en.wikipedia.org/wiki/1965_MGM_vault_fire

・Lost Media wiki
https://lostmediawiki.com/London_After_Midnight_(lost_Lon_Chaney_mystery_horror_film;_1927)

・IMDb
https://www.imdb.com/title/tt0018097

・The Lon Chaney Home Page
http://lonchaney.org/filmography/149.html

CMHBlog
https://www.classicmoviehub.com/blog/silents-are-golden-a-closer-look-at-london-after-midnight-1927

確認できる資料

「London After Midnight」の映像は失われましたが、複数枚のスチール写真、台本などが発見されています。

以下に紹介します。

スチール写真・広告

IMDbのPhotosにスチール写真と広告が計83枚掲載されています。

https://www.imdb.com/title/tt0018097


他、Lost Media wikiの「London After Midnight」ページにも多数の写真・広告が掲載されています。
https://lostmediawiki.com/London_After_Midnight_(lost_Lon_Chaney_mystery_horror_film;_1927)

台本

「London After Midnight」の台本は発見されています。

・INTERNET ARCHIVE
https://archive.org/details/london-after-midnight-1928

・PDF
https://oldhollywoodincolor.com/wp-content/uploads/2014/08/london-after-midnight-loc-script-copy.pdf

背景として、アメリカの著作権局が1928年に35mmプリント2枚と台本を受け取り、登録手続き完了後にプリントのみ返却・台本は保存していたという経緯があります。
https://blogs.loc.gov/now-see-hear/2014/05/copyright-descriptive-records-london-after-midnight-edition

2002年の再現作品

2002年、プロデューサーなどを務めているリック・シュミドリン(Rick Schmidlin)が、「London After Midnight」の静止画や台本を元に、45分の再構成版を制作しました。

おそらく、以下URLの映像が「45分の再構成版」です。
https://archive.org/details/london-after-midnight_1927

この映像は、2002年8月15日に米映画専門チャンネルのターナー・クラシック・ムービーズ(Turner Classic Movies)で放送されたそうです。

1935年のリメイク作品

「London After Midnight」は、1935年にリメイク作品が制作されています

こちらのリメイク作品は、2022年10月11日blu-rayで発売されました

https://www.blu-ray.com/movies/Mark-of-the-Vampire-Blu-ray/323093

こちらはECサイトなどで購入することができます。

映画の発見?

「個人が映画フィルムを所有している」「映像を発見したかもしれない」という情報がいくつかあります。

1例として、redditの投稿を以下に掲載します。

映像の一部を発見したかもしれない、という投稿です。

しかし、この映像は「AIが生成したのではないか?」という指摘が多くされていました。

上記に紹介した内容以外にも、「映像を発見したかもしれない」などの情報がありますが、本物と判断できる映像が公開された例は未だありません

コメント

  1. 匿名 より:

    リクエストがあります
    「Закон и порядок. Преступный
    умысел」
    というローアンドオーダーのロシア版リメイクドラマの情報を取り上げて欲しいです

タイトルとURLをコピーしました