検索してはいけない言葉の「クッサイ サルマン」を検索してみた

検索してはいけない言葉

検索してはいけない言葉の「クッサイ サルマン」を検索してみました。

検索すると、酸や化学薬品で襲われた男性の写真が出てきます。

写真を掲載しているサイトは既に削除されていましたので、アーカイブのURLを載せておきます。
https://web.archive.org/web/20120223000333/http://www.geocities.jp/wemustnotkill/main/isam-cousin07.6.24.html

写真の内容

写真は3枚掲載しています。

1枚目
男性の遺体の腹部から首元までの写真
全体的に赤黒く爛れている。
首元から臍辺りにかけて切り裂かれている痕跡があり、その傷口が雑に縫われている。

2枚目
男性の遺体の顔の写真
顔も同様に赤黒く爛れている。
目は開いており、若干濁っている。

3枚目
男性の遺体の上半身の写真

イサム・ラシード氏

3枚の写真の他に文章が掲載しておりますので引用します。

友人たちへ

イラク人ジャーナリストのイサム・ラシードです。
4日前に私の従兄弟が民兵に殺されました。私たちはバグダッド中央死体置場で彼の死体を見つけました。その写真を何枚か撮影したのであなた方にそれを見てもらうことができます。

彼の名前は、
クッサイ・イヒヤ・サルマン(24歳)
バグダッド東部の婚約者の家に居るときに民兵に拉致され、拷問され殺され切断された。その拷問は酸、化学薬品で行われている。

殺された理由はただ彼がスンニであるということだ。彼はシーア民兵に殺された。
彼の写真を見て下さい。人間に対して、人間性に対してこのようなことを行う民兵たちがどんな犯罪者であるかを見て下さい。

彼らはこれを毎日毎日多くのスンニ住民に対して行っているのです。

すみません。私は取り乱しています。行かなければなりません。

あなた方への私のすべての敬意を込めて
イサム

https://web.archive.org/web/20120223000333/http://www.geocities.jp/wemustnotkill/main/isam-cousin07.6.24.html

写真を撮影した人物は「イサム・ラシード」というイラクのバグダッド出身のジャーナリストです。

ラシード氏は「ファッルージャからの証言(2005年公開)」というドキュメンタリー映画にカメラマンとして参加していたり、「ファルージャへの道(2009年公開)」というドキュメンタリー映画にシネマトグラフィーとして活躍しています。

「ファルージャへの道」の公式サイトにラシード氏の紹介がありましたので載せておきます。
https://www.theroadtofallujah.com/#team

「ファルージャへの道」の公式サイトに掲載しているイサム・ラシード氏のプロフィール

ISAM RASHEED Middle East Producer, Camera

Isam Rasheed was born and lives in Baghdad, Iraq and has been a journalist, producer, and videographer since 2003. Isam has worked on many documentary films for Iraqi satellite channels such as Baghdad TV, Baghdadiya Channel, and Babeliya TV. His work with world media outlets include: British C4 (True Face of War, Baghdad: The Hidden Story), ITV news, ARD Germany Channel, BBC News (The 4th Anniversary of the Invasion), PBS – WBGH Frontline (Gangs of Iraq), ABC Japanese channel (Sourcecode), Sky TV, AiB (Wounded People in Iraq), RCC News Channel, Hiroshima, Japan, Free Speech TV (US) and ConceptionMedia production company (Caught in the Crossfire, The Road to Fallujah).

https://www.theroadtofallujah.com/#team

ISAM RASHEED 中東 プロデューサー、カメラマン

2003年よりジャーナリスト、プロデューサー、ビデオグラファーとして活動。バグダッドTV、バグダディヤチャンネル、バベリヤTVなど、イラクの衛星チャンネルで多くのドキュメンタリー映画を制作してきた。世界のメディアとの仕事には次のようなものがある。英国C4(True Face of War, Baghdad: The Hidden Story)、ITVニュース、ARDドイツチャンネル、BBCニュース(The 4th Anniversary of the Invasion)、PBS – WBGHフロントライン(Gangs of Iraq)、ABC日本語チャンネル(Sourcecode)、スカイテレビ、AiB(Wounded People in Iraq)、RCCニュースチャンネル(広島)、フリースピーチTV(アメリカ)、コンセプションメディア製作所(Caught in the Crossfire, The Road to Fallujah)等。

DeepLを元に翻訳

スンニ派とシーア派

撮影された遺体の男性はラシード氏の従兄弟にあたる人物で、名前を「クッサイ・イヒヤ・サルマン」と言います。

ラシード氏の記載に「4日前に殺された」とあります。
サルマン氏の写真が公開されたのが2007年6月24日なので、死亡日は6月20日だと考えられます。

サルマン氏の写真の掲載日


サルマン氏はシーア派の民兵に殺されたと記述しています。
その理由として、彼がスンニ派であったことが挙げられます。

シーア派、スンニ派とは、イスラム教の宗派です。
予言者であるムハンマドの死後、その後継者を巡る考え方の違いにより2つの宗派が誕生したという経緯があります。

ムハンマドの血筋を受け継ぐ者を後継者とすべきと主張したのがシーア派です。

ムハンマドが神から授かった言葉を記した「コーラン」や、ムハンマドの慣行をまとめた「ハディース」を正しく理解している者を後継者とすべきと主張したのがスンニ派です。
スンニ派は、シーア派とは異なり血筋を重要視していません。


イスラム教徒全体の割合を見ると、スンニ派は87~90%シーア派は10~13%を占めていると言われています。

アメリカの調査機関、ピューリサーチセンターが2009年に発表した調査によると、全世界に住むイスラム教徒の87%から90%が「スンニ派」10%から13%は「シーア派」と推定されています。

https://www3.nhk.or.jp/news/special/new-middle-east/sunni-shia/


サルマン氏が殺害されたイラク国内での宗派の割合を見ると、アラブ人とクルド人を合わせてスンニ派は約40%シーア派は約60%を占めていると言われています。

アラブ人(シーア派約6割、スンニ派約2割)クルド人(約2割、多くはスンニ派)、トルクメン人、アッシリア人等(1987年:CIA)

https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/iraq/data.html

サルマン氏はスンニ派なので、イラク国内では少数派に属していると言えます。

シーア派の民兵

公安調査庁のサイトに、シーア派の民兵組織に関する記載がありました。

イラクでは,フセイン政権崩壊後,多数派のシーア派が政府を主導する一方で,同派と少数派であるスンニ派との宗派間抗争が激化した。特に,サドル師率いる民兵組織「マハディ軍」,その分派組織「アサイブ・アフル・ハック」(AAH),「カタイブ・ヒズボラ」(KH)等のシーア派組織は,駐留米軍,スンニ派等を標的とした攻撃を実行した

https://www.moj.go.jp/psia/ITH/situation/ME_N-africa/Iraq.html

サルマン氏も上記のいずれかのシーア派民兵組織の標的となってしまった為、殺害されてしまったのだと考えられます。

まとめ

今回の検索結果をまとめます。

・「クッサイ サルマン」を検索すると、男性の遺体を写した写真が3枚出てきます。

・遺体の男性の名前は「クッサイ・イヒヤ・サルマン」です。

・サルマン氏を撮影した人物は「イサム・ラシード」であり、イラク出身のジャーナリストです。

・ラシード氏にとって、サルマン氏は従兄弟にあたる人物です。

・サルマン氏は、2007年6月20日にシーア派の民兵に殺害されました

・殺害された理由として、サルマン氏がスンニ派であったことが挙げられます。

・遺体の肌が赤黒く爛れているのは、酸や化学薬品を浴びたことが原因です。

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