検索してはいけない言葉の「グリーン姉さん」を検索してみました。
検索すると、全身が緑に変色した遺体の写真が出てきます。
写真を掲載していたRotten.comは閉鎖してしまいましたが、アーカイブで確認できましたのでURLを載せておきます。
https://web.archive.org/web/20020914033506/http://poetry.rotten.com/blonde/
写真の内容
写真は8枚掲載しています。
アーカイブ画面の#1から#8までのいずれかをクリックすると写真が表示されます。
#1
肌が緑色に変色した遺体が仰向けになっている。
右大腿部からわき腹にかけての写真。
#2
上半身を右側から写した写真。
顔がカメラに向いている。
#3
足元から胴体にかけての写真。
#4
頭部から胴体にかけての写真。
#5
顔の写真。
口と鼻から流血している。
#6
顔の写真。
#5とは若干角度が変わっている。
#7
顔の写真。
#5と#6とは若干角度が変わっている。
#8
両目の写真。
他の写真
グリーン姉さんがRotten.comに掲載されたのは2002年8月頃です。
DEADHOUSEというサイトもグリーン姉さんの写真を掲載していました。
その写真の中にRotten.comでは掲載されていなかった写真がありましたので、URLを載せておきます。
https://deadhouse.ru/corpses-ru/nachalnaya-stadiya-razlozheniya-trupa.html
右手、右足、左足の3枚の拡大写真はRotten.comには無かったものです。
腐敗の初期段階
Rotten.comにグリーン姉さんの写真が掲載された際に「Early stages of decomposition」という説明文が添えてありました。
日本語で「腐敗の初期段階」と訳されます。
人間の体は死後に様々な変化を呈します。
死体現象論1の資料を参考にすると、死後の体に表れる変化は大きく分けて「早期死体現象」「晩期死体現象」「特殊死体現象」の3つがあります。
http://web.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~legal/images/k0406360400prn.pdf
早期死体現象としては主に下記が挙げられます。
・体温低下
→死体の体温が外界の温度まで低下すること
・血液就下、死斑
→重力によって血液が下方へ移動し、その血液の色が皮膚に透見すること
・死後硬直
→筋肉中のアデノシン三リン酸(ATP)が減少し、筋収縮に使用されるタンパク質のアクチンとミオシンの解離が起こらなくなり、筋肉が硬化すること
など
晩期死体現象としては主に下記が挙げられます。
・自家融解
→体内の酵素の働きによって細胞が消化・分解されること
・腐敗
→微生物や腐敗菌の作用で人体の有機物が分解されること
・白骨化
→腐敗や分解により、骨、歯、毛髪などの硬組織のみが残ること
など
特殊死体現象とは、死体が特殊な環境下に置かれた際、腐敗せずに長期間原形を保ったまま残る現象です。
主に下記現象が挙げられます。
・ミイラ化
→高温、乾燥、通風の良い等の環境下に置かれた場合、自己融解・腐敗が停止し、乾燥が高度に進行し、皮膚が革皮様化すること
・死蝋化
→水中や土中等の空気の流通の悪い場所に置かれた場合、腐敗が進行せず、死体の脂肪から分解された脂肪酸とアルカリ(マグネシウム、カルシウム、カリウム等)が結合して鹸化すること
など
グリーン姉さんの肌の変色具合から、晩期死体現象の腐敗の段階に当たると推測されます。
腐敗による肌の変色に関して、死後1・2日で下腹部から暗緑色に変色して、全身に広がります。
これは、硫化ヘモグロビンや硫化メトヘモグロビンの産生による影響だと言われております。
「ミイラのドレスに関する法科学的研究(第1報)ドレスの色調、染色物の特性およびドレスの洗い液を用いたABO式血液型の鑑定」という論文に硫化ヘモグロビンによる体表面の変化に関する記述がありました。
http://plaza.umin.ac.jp/j-jabs/40/40.229.pdf
体表面が緑色を帯びてくるのは、ヘモグロビンと硫化水素が結合した硫化ヘモグロビンによるものである。腐敗は、遺体の分解に最も効果のあるプロセスで、細菌酵素による還元作用を主体とする物質の分解作用が著しい。このため、メタンガス、硫化水素、アンモニアの発生が激しくなる。皮膚、気道、胃、腸管などに常在する細菌の他に病原菌が血管内に浸入し、全身にばらまかれる。
http://plaza.umin.ac.jp/j-jabs/40/40.229.pdf
体内で発生した腐敗ガスのうち、硫化水素が赤血球中のヘモグロビンと結合して硫化ヘモグロビンになります。
この硫化ヘモグロビンが全身に広がることによって、死体の体表面が緑に変色したと推測されます。
硫化水素自殺説
グリーン姉さんの死因として、硫化水素による自殺説があります。
根拠として、肌の色が全体的に緑に変色していることが挙げられています。
Wikipediaの硫化水素の記事に、人体への影響に関する記載がありました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A1%AB%E5%8C%96%E6%B0%B4%E7%B4%A0
即死濃度に満たない濃度の硫化水素ガスを長時間吸引して死亡した場合、遺体に暗紫赤色や緑色を帯びた暗赤褐色の死斑が現れたり、遺体の臓器が灰緑色になったりすることがある。これらは血液に含まれるヘモグロビンに硫化水素が作用し、硫化ヘモグロビンになることによる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A1%AB%E5%8C%96%E6%B0%B4%E7%B4%A0
「法医実務における薬毒物中毒診断の現状と問題点」という資料にも硫化水素による死斑の記載がありました。
https://www.sysmex.co.jp/products_solutions/library/journal/vol15_no1/bfvlfm000000cw4h-att/2014_Vol15_1_09.pdf
長時間硫化水素に曝露されると,硫化ヘモグロビンの色調を反映して,死斑は帯緑色を呈する.しかし,短時間の硫化水素曝露による急死の場合には必ずしも死斑は帯緑色とはならない.
https://www.sysmex.co.jp/products_solutions/library/journal/vol15_no1/bfvlfm000000cw4h-att/2014_Vol15_1_09.pdf
硫化水素ガスを長時間吸引することによって、緑色を帯びた死斑が現れることがあるそうです。
死斑とは、死後に循環が止まった血液が重力によって低位置に移動することによって、その部分の体表面が痣状に変色することを言います。
死体が仰向けの場合は背面部に死斑が出現します。
俯せの場合は前面部に死斑が出現します。
縊死の場合は下半身に死斑が出現します。
グリーン姉さんの場合は全身が緑に変色しているので、硫化水素ガスによる死斑ではなく腐敗性変色によるものだと推測されます。
グリーン姉さんの死因は硫化水素自殺だと断言できず、調査しても有力な情報が見つからず不明のままです。
因みに、マサチューセッツ州のハンプデン郡保安官事務所がまとめた「Chemical & Detergent Suicides」という資料に硫化水素自殺者と見られる遺体2名の写真が掲載していました。
https://info.publicintelligence.net/MAchemicalsuicide.pdf
車内で項垂れるようにして死亡している写真と、路上に仰向けで倒れている写真です。
写真から判断するに、2名とも肌は緑に変色していません。
硫化水素自殺を行った際は、死斑部分は緑に変色する可能性はありますが、全身が緑に変色することはないと考えられます。
まとめ
「グリーン姉さん」を検索した結果をまとめます。
・グリーン姉さんとは、全身が緑に変色した遺体です。
・2002年8月頃にRotten.comに掲載されたものが初出だと言われています。
・緑に変色している原因として、腐敗の初期段階によるものだと考えられます。
・体内で発生した腐敗ガスのうち、硫化水素が赤血球中のヘモグロビンと結合して硫化ヘモグロビンになります。それが全身に広がることによって、緑に変色したと推測されます。
・硫化水素自殺説があります。その理由として、硫化水素ガスを長時間吸引して死亡すると死斑が緑になる場合があるというのが挙げられています。
→死斑は血液が低位置に移動することによって変色する現象です。グリーン姉さんは全身が変色しているので、死斑というよりは腐敗性変色が妥当だと考えられます。
・グリーン姉さんの死因、名前、生前の姿などは不明です。
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きっしょwww